センドには社内環境委員会という秘密組織が存在していることをご存知だろうか。
社内のちょっとした事件を人知れず解決へと導く組織、通称『シャナカン』。
その組織は時代と共に進化を続け、今では誰がシャナカンメンバーで、いつ何をやっているのかすら気づかれていないかもしれない。
しかしシャナカンはそれでいい。いや、それがいい。
シャナカンの現在(イマ)
これまで星の数ほどの事件を解決してきたシャナカン。
前回このブログで一般公開された事件がこちら。
▼シャナカンFile#01|ブーツ出社を解放せよ!
https://www.sen-do.co.jp/blog/1059/
実はこの事件を境に、シャナカンメンバーはそれぞれの道を歩むことになった。
メンバーが本部に召集されることはほとんどなくなり、まるでメタバースかのようにチャット上でのみやりとりが行われている。
ちょっとした事件が起きても、チャット上で解決方法についてやりとりをし、導いた答えを誰かが実行するのみ。
そんな退屈な日々が続いていた。
出し子受け子の関係
わたしはシャナカンチャットで協議した案を実行する役割が多いのだが、そればかりをやっていると時折特殊詐欺の受け子や出し子のような気持ちになった。
もちろんわたしに受け子や出し子の経験はない。あるのは受け子出し子という言葉をこのブログ上で使いたくなったという、至極私的な理由である。
その申し訳なさは足の小指の爪程には感じている。
それほどに退屈な日々が続いていた。そんなある日、事件は突然やってきた。
シャナカンメンバーからの内部告発!玄関近くは不公平デス事件
平穏という名の客人をのんびりもてなしていたある日、シャナカンチャットへアイデアという名のプレゼントが贈られてきたのだ。
それは人知れず起きていた事件の一部始終をしたためた、シャナカンメンバーからの内部告発文書だった。
告発文
まさか!これは受け子が被害者の事件ということか??
毎日の宅配便対応にこんな脅威が潜んでいたとは…
たしかにもし小型のプラスチック爆弾が送られてきたらどうなる?
受け子は木っ端微塵になる!くっそう出し子め!このおれが絶対にそうさせん!!!
いや、捜査するっ!!!
老兵は去るのみ!無情の戦力外通告
すぐに帳場(捜査本部)が立てられた。
久しぶりの現場だ。鼻息荒く帳場へ向かおうとしたその時、メタバースから非常なまでの現実を突きつけられることとなった。
東京のシャナカンメンバーは追加召集されていた。
それは事実上のわたしへの戦力外通告だった。
事件概要
ということでわたしは「後日共有」という、鬼ごっこの”ままこ”のような状態でこの事件を見守ることになった。
※ままこ・・・鬼ごっこで捕まっても鬼にならなくて良い特別待遇の子(小さい子)のこと。(地方によって呼び方は異なるようです。)
ここで一度通称「受け子事件」を整理しておく。
<現状>
- 届く荷物は、出入口に近い席のメンバーが受取り(受け子)を対応してくれることが多い
- 対応頻度は1日3〜4回
- 対応時間は1回1〜2分程度
- 発送業務(出し子)も主に出入口に近いメンバーが行っている
たしか事件の概要はこんな内容だったはず。
そう思っていたのも束の間、なんどメタバース上ではすでに事件が解決されようとしていた!
華麗なるチャットと行動。鮮やかに事件を解決!
驚いた。
みたこともないスピードで捜査が進められていく。
まるで水を得た魚である。
シャナカンがこうまで進化していたなんて…それに比べてわたしは何をやってるんだ!
まるで借りてきた猫ではないか!!
ただ、借りてきた猫状態のわたしには、魚が特別に嬉しかった。
テキスト整理も超重要
繰り返しだが今回の事件はわたしは戦力外通告を受けており、ほぼ関与していない。
その代わりにチャットを逐一追っていたのだが、捜査会議後にすぐさまチャットが飛び交っていた。
「この事件は全社に関わることなので、解決するとしてもまずは適切な承認ルートをとるべきだ」という議論のあとすぐに、承認のための極秘文書が作成されていた。
わたしはそれを入手することに成功したので、ここに公開する。
<解決したい課題>
玄関に近い一部メンバーに、宅配便の荷受けおよび出荷対応の負荷がかかっている
<解決の方向性>
仕組みの力を使うことで宅配便対応にかかるメンバーの負荷を軽減する
<解決案>
- 荷受け&出荷用の荷物置き場(デスク1台)を3F玄関内に設置
- インターホン対応を削減するため、外のインターホンに「配達業者様はインターホンを鳴らさずそのまま中にお入りください」と貼る
(+配達業者への周知および協力依頼を行う)
上記対策を行うことで、荷受時と出荷時の対応はほぼ不要となる
<解決案のデメリット>
- 玄関内の見栄えは悪くなる
- 玄関内のスペースが狭くなる
問題提起から解決案までならまだしも、デメリットまで伝えている…
わたしは改めて戦力外を痛感することになった。
懲戒免職じゃなかっただけまだましだと思うことにした。
適切な人員配置
同時並行で、解決へのアクションの役割分担が行われていた。
- 対象者へのヒアリング
→ 捜査員A - 配送業者各社へのヒアリング
→ 捜査本部長&捜査員C - 配置場所(仮)を決めて、それに合ったサイズのデスクを選定・費用出し
→ 捜査本部長 - 簡単な配置図を作成
→ 捜査員D
※東京オフィスのためMTGのみ参加
→ 捜査員B
これもまさに適切な人員配置といえるものだった。
捜査本部長が自ら率先してアクションを宣言し、現状に疑問を感じていた捜査員Aが自らヒアリング、実行力と再現性に定評のある捜査員Cが対外捜査、特技を有した捜査員Dが図面のデザインを担当。事件の管轄外の東京メンバーは、経験のためにMTGへ参加。
各担当は次々に独自に捜査を進め、すぐに成果が上がっていった。
ここでもわたしが戦力外なのが見て取れた。
もはや老兵のわたしが入り込む余地など微塵もなかったのだ。
そんな戦力外なわたしをヒューマンドキュメンタリーで追いかけて欲しくもあったが、大好きだったあの番組のナレーターが東山紀之じゃなくなったのを思い出して、泣いた。
計画は慎重に。行動は大胆に。
結果は言うまでもない。
慎重に練られた計画が大胆に行動されたのだ。解決である。
置き配と集荷用に設置されたこのテーブルについて語るものは今や誰もいない。
シャナカンメンバーだけがその歴史を知っている。
ただ、このテーブルを設置したあともセンドから受け子がいなくなったわけではない。
配達員さんが訪れるたびに、近くにいるメンバーが受け取る。
「ありがとうございます」と笑顔で伝え、受け取る。
そう。センドの全メンバーが受け子になったのである!
あとがき|言葉には気をつけて…
『センドの全メンバーが受け子になったのである!』
↑ ↑ ↑
ここだけ切り取るとセンドは受け子集団ということになってしまうわけで…
そんなわけがないわけで…
これがわたしが戦力外な理由なわけで…
それでもシャナカンは事件を解決し続ける。わたしは合同トライアウトの開催を待ち侘びて、それを見守り続けるのだ!